コンタックス>EOSアダプタによる露出の差2(28mm編)

今回は3種のアダプターを同時に比較する機会を得たので、
さまざまなテストをしてみたいと思います。


マウントアダプター写真(右・非電子タイプ 中央・電子タイプ 左・電子タイプ(他メーカー))
※右と中央は同一メーカーのものと思われます。



実験環境(アダプタ以外すべて同一)
 ボディ:EOS20D
 レンズ:CONTAX Distagon 28mm F2.8
     EF 28mm F2.8(参考標準値として実験してみました。)
 ISO値:800
 絞り優先AE(ダイヤル位置AV)

 室内・三脚使用・夜間・電球光源

  EF28mmF2.8 電子アダプタ(銀) 非電子アダプタ(銀) 電子アダプタ(黒)
F2.8
  シャッタースピード1/100 シャッタースピード1/80 シャッタースピード1/160 シャッタースピード1/100
F4
  シャッタースピード1/50 シャッタースピード1/30 シャッタースピード1/72 シャッタースピード1/50
F5.6
  シャッタースピード1/25 シャッタースピード1/13 シャッタースピード1/25 シャッタースピード1/15
F8
  シャッタースピード1/13 シャッタースピード1/5 シャッタースピード1/10 シャッタースピード1/6
F11
  シャッタースピード1/6 シャッタースピード0.4s シャッタースピード1/5 シャッタースピード0.3s
F16
  シャッタースピード0.3s シャッタースピード0.8s シャッタースピード0.4s シャッタースピード0.8s
F22
  シャッタースピード0.6s シャッタースピード1.0s シャッタースピード0.6s シャッタースピード0.8s

まず、EFレンズですが、開放で若干暗めになりましたが、それ以外はすべてほぼ
同一露出でばらつきが少ないです。まあ、そうでないと困りますが。

次に、開放時の露出ですが、黒いAFアダプターはEFレンズと同じ露出になりました。
銀のAFアダプターはEFレンズと比較すると1/3段明るく写り、
銀の非AFアダプターは2/3段暗い、という結果です。
露出正常値がEFレンズだとすると、開放時では非AFアダプターのほうがAFアダプターよりも
誤差は多い、という結果となりました。
前回のテストではAFと非AFアダプタの比較しかしていなかったので、基準なしで相対的に
比較しただけだったので、この点は意外でした。

黒のAFアダプターはEFレンズと同一の結果です。銀のアダプターとの差は、どうやら
基盤の差によるもののようです。黒はF値がF1.8表示され、銀はF2.0となっているので、
このあたりが差になっているものと思われます。

次に露出の斜行です。
もちろんEFレンズは斜行はほぼありません。
その他のアダプターはすべて同じ傾向で、F8〜F11あたりまで少しずつ露出オーバー気味になり、
F16〜F22ではその露出オーバー傾向が縮小していく、という結果となりました。


総括すると、非電子アダプターは元々暗く写っていたため、露出の斜行による影響が逆に
目立たなかったので、今まであまり問題視せずに使っていたようです。
それに対し、銀のAFアダプターは、開放時ですでに露出オーバー傾向だったため、絞るごとに
その傾向が増し、露出オーバーが目立って気になった、ということのようです。

黒のAFアダプターも、開放時はEFレンズと露出は同一ですが、露出の斜行はあるので、F8〜F11あたり
ではアンダー側に露出補正をする必要があります。


以上の結果から、銀のAFアダプターを使う時は、2/3段くらいはアンダーにするのを基本に、
F8〜F11あたりまで絞るときはさらに1/3〜2/3段アンダーにする、という使い方をする必要がありそうです。

非電子アダプターの場合は、開放時は若干オーバー気味に露出補正をして、F8〜F11あたりに
絞る場合は1/3段くらいアンダーに補正すればほぼフラットな露出になります。


結論:
どうやらマウントアダプターはそれぞれ傾向があって、それにあった補正をしないと
使いこなせない、というのが結論のようです。

参考までに、露出とF値のおおまかなグラフを書いてみました。


これをみると、非AFアダプターがEFのグラフと近いところで推移しているので、大幅な
露出の異常がでにくい、ということがわかります。
もちろん正常な露出を得るためには、細かい露出補正が必要になりますが。